事例
国分グループ本社株式会社
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業種
食品卸売業
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課題
営業担当者が使う原価分析・見積作成システム(Excelベースのマクロ)の利用率が低い
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導入メリット
- Excelに似た直感的な操作で、サポートが要らず、すぐに使える
- レスポンスの速さや大量データのダウンロードで、業務効率化に貢献
- OSバージョンアップなどの差異を吸収し、長期のシステム利用が可能
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対象デバイス
デスクトップ
導入背景
営業の業務効率化を目指し、原価分析・見積作成システム再構築を決定
生活者のライフスタイル、嗜好は大きく変化し続けている。食生活に欠かせない食品やお酒に対するニーズは多様化し、地域や季節による違いも大きい。これに対応し、「食の目利き」として、商品を厳選して調達、売れる商品、売れる仕掛けを全国の小売や外食産業などに提供しているのが国分グループ本社だ。
同社は、食品卸売業として加工食品、酒類、菓子、日用品、チルド商品、冷凍食品、生鮮3品を取り扱い、販売先は食を取り扱う約3万,000社の小売業、フードサービス業、メーカーなど、仕入先は国内外約1万社のメーカー商社など、取り扱い品目数は約60万アイテムに上り、オリジナル商品も開発している。
全国規模での巨大な取引量と流通の変化にきめ細かく対応するために、国分グループでは管理系のKMS(Kokubu Management ystem)、物流系のKLS(Kokubu Logistics System)、情報系のKIS(Kokubu Information System)という3つの業務システムで事業を支えている。
そのKMSの中で、営業担当者が使う原価分析・見積作成システムはExcelベースのマクロで作られていた。しかし、ユーザーインターフェイス(UI)や機能が十分ではなく、レスポンスもよくなかったため、利用率が低いという問題があった。
「顧客満足度を高めていくためには、営業担当者が取引先と十分に向き合えるようにしなければなりません。そのために業務の効率化を進めようと、営業関連業務を全般的に見直す『シンプルな業務推進プロジェクト』を立ち上げました。同時に収益力向上のため、収益管理規定と営業管理業務基準の見直しを進め、原価分析・見積作成システムを再構築することにしました」と、国分グループ本社 情報システム部 業務システム課長 角田 憲一郎氏は振り返る。
選定理由
導入の決め手は20年近い実績と今後も長期間利用が可能な点
営業担当者はExcelに慣れているため、新しい原価分析・見積作成システムはExcelに近いUIで、操作性やレスポンスのよさが第一の条件となった。加えて、業務を効率的に行えること、Windowsアップデートなどバージョンアップの差異を吸収し、長期安定稼働できることが選定要件だったという。そして、複数の製品を比較検討した結果、最終的にオープンストリームの「Biz/Browser DT」を採用することになった。
Biz/Browser DTに決めた理由は純国産製品で、20年近くも使われてきている実績があり、長期間にわたって利用できること、そしてサポートも充実している点だ。
「正直いって、最初は操作性やレスポンスなどの面で、本当に私たちが望む要件を満たす形で使えるのだろうかと疑問がありました。そんな中、Biz/Browserを使っている同業の会社の運用状況を見に行き、非常にレスポンスがよいとことが分かり、これなら大丈夫だろうと安心しました」と、国分グループ本社 情報システム部 業務システム課 グループ長 大畑 哲夫氏は語る。
その上で、システム開発の協力会社である野村総合研究所から意見を聞いた。オープンストリームにも複数のモックアップを用意してもらい、高いレスポンスで動作することを確認した。
設計開発
開発ベンダーも「開発しやすい」と評価。テンプレートで内製化を図る
システム開発は野村総合研究所が行ったものの、同社もBiz/Browserの開発は初めてだった。そこで最初に共通ルールを決めてからパーツを作り、開発を進めていった。「Biz/Block(※2)の標準化テンプレートを使って、それを国分向けにカスタマイズする形で、テンプレートを作成していきました。開発ベンダーもBiz/Browser DTは開発しやすいと評価しています」(角田氏)。
国分グループ本社では採用決定前のBiz/Browser運用企業への見学でも、ある程度Javaの知識があれば、内製化も可能だと聞いていた。そのため、今後は今回標準化したテンプレートを利用して、内製化に取り組み、開発工数とコストの削減を進めていく考えだ。
※2「Biz/Block」…Biz/Browserのアプリケーション開発をすぐに始められる開発スタートアップパッケージです。
導入効果
レスポンスの速さや大量データの一括ダウンロードで、業務効率が大幅に向上
Biz/Browser DTを使ったシステムは2018年秋にリリースし、2019年4月から営業担当者が利用を開始し、現在全国への展開を進めている。新しいシステムを導入すると、ユーザーから操作方法などの問い合わせがあるのが一般的だが、今回のBiz/Browser DTの導入ではほとんどなかった。
「Excelに似ているので、ユーザーも今までと同じように自然と使えているのだと思います。 メーカーから受け取る商品データはExcelファイルが大変多いのですが、それをそのまま取り込むことができる点も、とても便利です」(大畑氏)。
国分グループ本社では収益管理規定を見直し、商品単品ごとに販管費を含めた営業利益 ベースで単品管理を行うようになった。Biz/Browser DTで、レスポンスの向上と商品データの取り込み件数が拡大し、営業担当者の業務効率は大幅にアップしたようだ。
「従来のシステムでは、商品データは最大で1,000件しか取り込めませんでした。それを超える場合、営業担当者は情報システム部に依頼してデータを取り込んでいました。それがBiz/Browser DTでは上限が5,000件に増えたため、業務の展開が非常に速くなりました」と角田氏は明かす。
また、従来WindowsやOffice、ブラウザがアップデートするたびに必ず動作を精査して、システムを変更しなければならなかったが、Biz/Browser DTになり、それが不要となった。
そのため、今後、国分グループ本社では業務系の中でブラウザに依存しているシステム、Visual Basicで開発されたC/SシステムをBiz/Browser DTに置き換えていく考えだ。さらにスマートフォン用にもBiz/Browserを導入し、上長の承認決裁をモバイル端末で行えるようにする計画もある。
1712年創業。1712年呉服と醤油製造業を開始し、1880年に食品卸売業に転換。食のリーディングカンパニーとして、販売先は約3万5,000社、仕入先は約1万社、取り扱い品目数は約60万アイテム。
角田 憲一郎氏
大畑 哲夫氏